2: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:10:55.73 ID:Fdb4Q9AA0
静香「ごめん、お待たせ星梨花」
星梨花「あっ、静香さん 全然待ってないですよ」
箱崎星梨花、元765プロのアイドルで私のアイドル時代の仲間
3: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:11:48.09 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「……でも、その台詞は明日まで取っておいてくださいね?」
静香「あ、ごめん 星梨花の顔を見たらつい言いたくなっちゃって」
星梨花「ふふ、静香さんにも同じことを言える日を楽しみにしていますよ」
4: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:12:40.02 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花は巨大企業グループの会長の一人娘で、今の私のようにずっとこの世界で仕事をしていくわけにはいかなかった
最初からタイムリミットのあったアイドル生活、もしかしたら彼女の中では私たちの知らない葛藤があったのかもしれない
アイドルを辞めた後の星梨花はお嬢様として勉学に努め、良いお嫁さんとなるための修練を重ね、『大人』になった
5: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:13:29.47 ID:Fdb4Q9AA0
そう、星梨花の結婚相手はお見合いで決められたもの
『政略結婚』なんて古くさいものでは無いが、星梨花は両親が選んだ彼女に見合う『立派な男性』と結婚することが決められていたのだ
もしかしたら、優しい星梨花の両親のことだから、星梨花が嫌だと言えば普通に恋愛結婚も出来ただろうし、アイドルを続けることも出来たかもしれない
6: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:14:39.75 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「もちろん、無いですよ」
満面の笑みで答えられた
静香「そ、そう……」
7: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:15:10.61 ID:Fdb4Q9AA0
プロデューサー、私たちがアイドルだった頃に一緒に頑張ってくれたあの人
静香「星梨花はプロデューサーのことをとても慕っていたし、もしかして……」
星梨花「…… 確かにプロデューサーさんのことは好きでした」
8: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:15:38.61 ID:Fdb4Q9AA0
静香「…… その人は星梨花にとって特別な人なのね」
星梨花「はい、『彼』と初めて会った時、この人しか居ないって、そう思えたんです」
星梨花「それまで思うことのなかった、この人のお嫁さんになりたいって気持ち」
9: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:16:27.44 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「でも、『彼』の話をする前に…… 少し、私の話をしてもいいですか?」
そう言って、星梨花は自らの下腹部に両手を当てた
星梨花「『彼』とのいきさつには、私の体のことが大きく関わっていますから」
10: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:17:32.79 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「私が自分の体のことを知ったのは21歳の時です」
星梨花の体のこと、星梨花は簡単に言えば『赤ちゃんの出来にくい体』なのだ
可能性が全く無い訳じゃない、だけどそれは限りなく0に近い
11: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:18:48.54 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「誰も私を責めたりなんてしませんでした、お友だちもお父さんもお母さんも『普通に生きていく分には問題無いんだから』って言ってくれました」
星梨花「だけど……」
他でも無い、星梨花自身がそのことを許せなかったのだろう
12: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:19:30.04 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「あの時は自分の全てが否定されたような気がして、何もする気が起きなくて、学校にも行かずに部屋に一人引きこもっていました」
星梨花「赤ちゃんが産めないのなら、私は『お母さん』にはなれなくて、それなら私が今まで頑張ってきたことはなんだったんだろうって思ってました」
静香「私が星梨花に最後に会ったのはその辺りよね」
29Res/15.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。