6: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:14:39.75 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「もちろん、無いですよ」
満面の笑みで答えられた
静香「そ、そう……」
7: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:15:10.61 ID:Fdb4Q9AA0
プロデューサー、私たちがアイドルだった頃に一緒に頑張ってくれたあの人
静香「星梨花はプロデューサーのことをとても慕っていたし、もしかして……」
星梨花「…… 確かにプロデューサーさんのことは好きでした」
8: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:15:38.61 ID:Fdb4Q9AA0
静香「…… その人は星梨花にとって特別な人なのね」
星梨花「はい、『彼』と初めて会った時、この人しか居ないって、そう思えたんです」
星梨花「それまで思うことのなかった、この人のお嫁さんになりたいって気持ち」
9: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:16:27.44 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「でも、『彼』の話をする前に…… 少し、私の話をしてもいいですか?」
そう言って、星梨花は自らの下腹部に両手を当てた
星梨花「『彼』とのいきさつには、私の体のことが大きく関わっていますから」
10: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:17:32.79 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「私が自分の体のことを知ったのは21歳の時です」
星梨花の体のこと、星梨花は簡単に言えば『赤ちゃんの出来にくい体』なのだ
可能性が全く無い訳じゃない、だけどそれは限りなく0に近い
11: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:18:48.54 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「誰も私を責めたりなんてしませんでした、お友だちもお父さんもお母さんも『普通に生きていく分には問題無いんだから』って言ってくれました」
星梨花「だけど……」
他でも無い、星梨花自身がそのことを許せなかったのだろう
12: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:19:30.04 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「あの時は自分の全てが否定されたような気がして、何もする気が起きなくて、学校にも行かずに部屋に一人引きこもっていました」
星梨花「赤ちゃんが産めないのなら、私は『お母さん』にはなれなくて、それなら私が今まで頑張ってきたことはなんだったんだろうって思ってました」
静香「私が星梨花に最後に会ったのはその辺りよね」
13: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:20:15.03 ID:Fdb4Q9AA0
その時の星梨花は自らのことを『欠陥人間』と称していた
常人には出来ることが自分には出来ない、だから『欠陥』
私他、星梨花と同期だったアイドルのみんな、星梨花の友達、みんなが思い思いの方法を星梨花を励まし、気を紛らわせた
14: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:20:41.22 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「だから私もその思いに報いなきゃって思って無理やり自分を動かしていたんです」
星梨花「自分は『お母さん』にはなれないってわかっているのに、みんなが期待してくれるからその『お母さん』にならなきゃって頑張っていた」
星梨花「思い返すと、私が今までの人生で一番辛かったのはその時期だったと思います」
15: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:21:17.91 ID:Fdb4Q9AA0
星梨花「学校を卒業して、いよいよ私は『結婚』を考える年齢になりました」
星梨花「その時のお見合い相手として紹介されたのが『彼』です」
星梨花「私は自分の体のことがあって結婚することは諦めていましたが、会わずに断るのは相手にも両親にも悪いと思い、一度食事をすることにしました」
16: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/03/29(水) 09:22:29.77 ID:Fdb4Q9AA0
お見合いは私の家で行われました
最初は私の両親と『彼』の両親と一緒にお食事を、その後私と『彼』の二人で歓談という予定で
私は『彼』と二人きりになった時に自分の体のこと、私が『欠陥人間』であることを告白するつもりでした
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