過去ログ - ダイヤ「もう一人の妹?」 ルビィ「もう一人のお姉ちゃん?」
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53: ◆tdNJrUZxQg[sage]
2017/03/30(木) 03:28:32.30 ID:lOVwawcb0

   *   *   *





目の前で大きな音がした。

お父様が机に拳を突きたてた音だった。


黒澤父「……俺は何も出来なかった。」

ダイヤ「……お父様」

黒澤父「仕来りなんて馬鹿馬鹿しいものに娘を奪われそうになっても、何も出来なかった……結局、琥珀から娘と妹を奪って……」

ダイヤ「……今からやり直すことは……出来ないんですか……?」


仕来りはきっとこれからも続く

田舎という閉鎖的な空間で行われる慣習を完璧に消し去ることはとても根気のいることだろう

ましてや黒澤家は網元としての立場がある。

それを鑑みれば表立って、どうこうすることは出来ない……


ダイヤ「それでも、ちゃんと説明をして……正しい距離を皆で考えれば……」

黒澤父「……本当にできると思うか?」

ダイヤ「……それは」

黒澤父「それに善子さんにどう伝える?実はお前は津島善子ではなく、黒澤ルビィで育ててくれたのは実の母親ではなく叔母の翡翠だったと……言えるか?」


……わたくしは何も言えなかった


黒澤父「琥珀は翡翠が死んでから……宝物庫には近寄らなくなった。本人は口にはしないが……いろいろ思い出してしまうからだろう。だからこの問題は黒澤本家の人間……今となっては俺以外には知りうる人間はいないはずだった」

ダイヤ「……」


お父様の言葉で自分のしでかしたことの重さを認識する。


黒澤父「翡翠が全ての不幸に終止符を打ってくれたんだ……」

ダイヤ「……そんな……」


そんな誰かが不幸にならなければ解決しないことなんて


黒澤父「だからダイヤ……これは知っている人間が黙っていなければ悲劇が繰り返されてしまう……。琥珀も、翡翠も、ルビィ、サファイアも……」

ダイヤ「わ、わたくしは……」


どうすればよかったのだろうか、何もしなければよかったのだろうか


黒澤父「今回のことも……俺がもっとしっかりと宝物庫の管理をしていればダイヤに背負わせることもなかったんだ……本当に……済まない」

ダイヤ「そんな……!!それはわたくしが勝手にやったことでお父様の責任では……」

黒澤父「だから……お前たちのAqoursでの活動を続けるのを……許すことは……出来ない……」

ダイヤ「あっ……」


言葉が出ない。落とし処が……ない。


ダイヤ「でも……」


どうにかして、どうにかしてあの場所に――Aqoursに戻るための言葉を考えるが……出てこない。


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