7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/31(金) 00:19:54.11 ID:n/U0KpIm0
「プロデューサー、私、今とっても楽しい。好きな事して、好きなもの食べて、好きなお洋服着て、好きなお化粧をして、ほしいものが、全部全部手に入るんです」
「知ってますか?プロデューサー、町のお店に行くと、みんなが私をみて笑顔になってくれるんですよ。ほしいものを手に入れて、きれいになったわたしを、みんなやさしく受け入れてくれるんです。」
そんな俺の心配をよそに、響子がまくし立てる。心なしか、しゃべり方も以前の柔らかさがなくなったような気がする。
「......そうか。 なあ響子、最近ご家族と連絡とってるか?」
「いえ、とってないですよ、でもたまに電話してくるんです。忙しいって言ってるのに...」
「お前にとっての家族は、何よりも大切なものじゃなかったのか」
「......うるさいなあ、忙しいんですよ。仕事をおろそかにしてるわけじゃないんですから、ほっといてください。
私はこの後用事があるので」
部屋を出ていく響子を見送る。
俺は、もしかしたら失敗したのかもしれない。
確かに今はいいかもしれない。けれどこのままじゃ、明るい将来は見えない。
しかし、響子は今もまだ人気はある。その流れを絶つことは、俺のキャリアにもかかわる。
...どうすれば正解なのだろう。
あの時、少しでも仕事の量をセーブしてあげられたら。
少しでも響子自身の心に目を向けてあげられたら。
こんな風にはならなかったのかもしれない。
もう取り返しは、つかないのだろうか。
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