4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/01(土) 01:19:38.68 ID:rBrxam3H0
こうして、彼女たちあんきらの活動が始まった。きらりは、今日も杏の家で衣装を作っている。
「あんずちゃんとユニットが組めてうれしいにぃ、きらり、がんばるよぉーー」
ーーきらりは今日も元気そうだ。もちろん私も、やる気がないわけではないけれど。
ーーきらりがミシンと格闘する姿を見ながら、私は手に取った飴をなめる。
ーー私が飴を好むのは、はじめてきらりと合った時を思い出すからなんだろう。
ーーいつも一人で心細かったわたしを、助けてくれたきらり。
「……きらりはさ」
ーー待ってるのも退屈なので、杏はきらりに聞いてみる。
「んー? どうしたのぉ?」
「どうして、きらりはいつも杏と一緒にいるの?」
我ながら、何が聞きたいのか的を得ていない質問だ。
「......それはねぇ、杏ちゃんが、変わらないでいてくれたからだよ」
少し間をおいて、きらりは話し始める。
中学に入ってから、きらりの生活は一転したこと。
中学生にしては規格外の大きな体はすぐに好奇の目にさらされたこと。
個性を受け入れてくれていた優しい土地が、大親友の杏が恋しかったこと。
高校生になってもそんなのは続き、気が付いたら、ピエロを演じることでしか自分を守る術を持てなかったこと。
ーーそんなとき、久しぶりに再会した杏ちゃんはきらりのことを覚えてくれた。
ーーそれだけじゃない、きらりの心を分かってくれていた。
ーー見た目だけじゃなくて、変わらずに私を見てくれた。
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