過去ログ - ばいきんまん「『必要悪』って、知ってるか?」
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9:名無しNIPPER[sage]
2017/04/01(土) 20:03:11.34 ID:4bm9at7d0
カバオくん「んあ?……ひ、ひぃいい!?ア、アンパンマンが、オラを殺そうとしてるだ!?」

ようやく殺気に気づいたカバオくんが、喚く。
しかしメロンパンナの上から退く気配はない。

パワー系のフリをして、カバオくんは狡猾だ。
こうして泣き叫べば、アンパンマンが何も出来ないと知っているのだ。

しかし、正義の化身と化した今のアンパンマンには、カバオの悪意がはっきりと感知できた。

ドス黒い醜悪なオーラを纏ったカバオは、宿敵たるばいきんまんをも霞ませるほど、唾棄すべき存在へと、なり果てていた。

もはやカバオは、アンパンマンの知るカバオではない。
そう思うと自然に、躊躇いは消えていた。

そうだ。
どちらにせよ、こいつを野放しには出来ない。
ならば、痛みを感じる間も無く、意識を刈り取り、『処分』するのが適切であろう。

さようなら、カバオくん。

その別れの言葉は、胸中に留めて……
アンパンマンは、決断した。

アンパンマン「パァアアアアンチッ!!!!」

カバオくん「ひゃああああぁあ!?」

大気を切り裂く拳圧が、まるで唸り声のように周囲に響き渡り、それに含まれた圧倒的な殺意に、カバオは漏らし、メロンパンナを汚した。

けれど、それにメロンパンナは気づかない。
彼女もまた、アンパンマンに畏怖を抱いていたからだ。

瞬きを一度。
次の瞬間には、カバオは自分の上から消え失せているだろう。

彼女はそれで救われる。
それは喜ぶべきことで、感謝すべきことだ。

しかし……それが怖い。

堪らずぎゅっと目を瞑ったカバオの糞尿塗れのメロンパンナは、この日初めて、アンパンマンに恐怖を覚えた。


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