過去ログ - 海未「あなたへ」
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6:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 09:21:41.65 ID:8+rDTmig0
畳とは違う肌の柔らかさをストッキング越しに感じた時、私の目は、条件反射のように涙を浮かべはじめました。
ほのか、ほのか、ほのかぁ……私は、あの子の名前を何度も呼びながら、子供に戻ったように泣きついていました。
腰にしがみつき、ハンカチを汚してしまう私の頭を、大丈夫、大丈夫だよ海未ちゃん、と撫でながら、ことりは私の名前を何度も呼んでくれました。
目をつむり視界をふさいだ向こう側で浮かんだのは、くちづけを交わしあうあの子たちの姿でした。
あの夜よりも少し前、たしか二人のことを知った辺りの頃です。
音を立て、舌をからめあい、指と指を重ねて一心不乱に求め合う様に、私の方が参ってしまうほどで、ぱっと目に映ってからすぐに目を背けてしまったのですが、それでもその姿は視界から離れません。
食べるような口づけ、尊いものを二人で分け合って大事にいただくような、そんな姿に見えました。
私はその場を離れようとしたのですが動けず、ちょうど重ねていた唇が離れ、雪穂の顔が薄明かりに見えました。
その蕩けきって潤んだ瞳と濡れたままの唇は、なんというか、幸せに満ちあふれて自ら輝いているようにも思えて、人があんな顔をするのをみたのは初めてで、それに心を掴まれてしまった自分の影まで怖くなって, こちらに気づかない雪穂と、気づいて睨みつけその顔を胸のうちに覆い隠すと視線だけで私を拒絶した穂乃果から、その時の私はふらふらと逃げ出してしまったのです。


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