過去ログ - イヴ・サンタクロース「寒さ恋しい夜には」
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名無しNIPPER
[sage]
2017/04/03(月) 01:29:14.43 ID:1AizcjW/0
窓を開けると、季節の変わり目特有の曇った空がイヴを迎えた。と言っても、何も見えない真っ暗な空なだけだ。
この近所は未だに街灯がLEDでなく、その上なぜか頻繁に球が切れるため、
夜になると月と星と、僅かばかりの住宅の光以外に光源がなくなるのだ。
目の当たりにすると相当に物騒ではあるがいかんせん人が殆ど住んでないので、
不便に感じることはあっても女性が1人で出歩いてもあまり怖い目には遭わないのである。
それも今日のように曇って仕舞えば何も見えなくなるのだが。
イヴはつまらないと感じた。冬なら透き通った空に綺麗な星が覗くのに、と思った。
それはどれもこれも春が悪い。
冬が終わった。
そうだ、風邪を引こう。
思い立ってそのまま廊下で寝て5時間、プロデューサーはたいそうお冠であったが、イヴは自分の目論見通り、喉と鼻を痛めての出社となった。
それが花粉症の、それも重度も重度の症状であると彼女が知るのは2日後の話であった。
了
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