10:名無しNIPPER[saga sage]
2017/04/03(月) 22:05:37.70 ID:gvjh+I4r0
果南さんは、自転車の後ろを指さして笑った。
まるで悪戯っ子のようなその笑顔に、私は胸が締め付けられる
ような、それでいてじんわりと暖かくなるような感覚を覚え
た。
梨子「星…好きって言ってましたね」
果南「お、覚えててくれたの? そうなんだよね〜、昔からなの」
なぜ私なんですか、とは聞けなかった。
梨子「…どこに行くんですか??」
果南「んー? …海かな。 いい場所があるんだよ」
私も、海から星空が見たかった、とは言えなかった。
果南「あ、そうだ、これ着て」
梨子「あ、ありがとうございます…ごめんなさい、私上着持ってきたら良かったですね」
果南「いいよいいよ、私も急に呼び出しちゃったし。 ごめんね?起こしちゃった?」
梨子「いえ! …まだ起きてました」
こうなることを期待して、とは言えなかった。
伝えたいことがたくさんあるはずなのに、喉に何かが詰まったみたいに言葉が出ない。
まるで…白紙のラブレターが詰まっているみたい。
大人になったら、こういう時にお酒の力を借りるんだろうか。
そう思った時、みかん酒を飲んで酔っ払っている千歌ちゃんが浮かんで、少しだけ笑った。
嬉しさとか、情けなさとか、緊張とか、色んな感情が溢れて胸が苦しい。
でも…こんなチャンス、二度とないかもしれないから、勇気を…
梨子「へ、へいまいドライバー!!///」
果南「お、おおぅ、どしたの梨子ちゃん?」
梨子「と、飛ばしてください!」
果南「…うん、任せて!」ニコッ
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