過去ログ - 【ミリマス】「心と体を合わせたら」
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1: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/04/05(水) 18:48:11.23 ID:qwc16/mI0
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  花見とは平たく言って宴会だ。 
  
  宴会には余興がつきものであり、それはすなわち芸である。 
  
  よって花見に参加する関係諸氏の皆々において、それなりに人前で披露することができる何やらかを、 
  事前に準備しておくのは最低限のマナーと言えよう。 
  
  それは四月の訪れが一週間ほどに迫ったある日の事務所の物語。 
  
  二月は逃げる、三月は去る。 
  矢の如く過ぎ去りしこの時期の日々を汝、夢幻と見紛うなかれ。 
  
 「千早ちゃんがぶっ壊れた」 
  
  とはいえ目の前に広がるこの光景は、できれば夢であって欲しい。 
  天海春香は事務所の扉を中途半端に開けたところで、先の台詞を呟いた。
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2: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/04/05(水) 18:49:19.38 ID:qwc16/mI0
  
 「あら、おはよう春香」 
  
  そうして彼女にそんな台詞を呟かせる元凶ともなった張本人、 
  如月千早はにこやかな笑顔で挨拶を済ますと。 
3: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/04/05(水) 18:50:21.81 ID:qwc16/mI0
  
 「あっ……おはようございます天海さん。今日も元気そうでなによりです」 
  
  彼女はソファの上に座っていた。 
  
4: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/04/05(水) 18:51:33.80 ID:qwc16/mI0
  
  流石は千早、鋭い観察眼である……と褒めてあげたいところだが、 
  もともと春香と言う少女、隠し事が大の苦手であった。 
  
  その考えている事の顔に出やすさは、現代の怪人二十面相。 
5: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/04/05(水) 18:53:08.43 ID:qwc16/mI0
  
  途端に、キョトンとした顔になる千早。 
  そのすぐ前では瑞希も彼女同様に、呆気にとられた表情を……しているかどうかは分からない。 
  
  なにせ彼女はポーカーフェイス。 
6: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/04/05(水) 18:54:57.23 ID:qwc16/mI0
  
 「抱き込むだなんてそんな……何か悪いことに引きずり込んでるみたいじゃない」 
  
 「それでも事実、抱かれてはいます。……ドキドキ」 
  
7: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/04/05(水) 18:57:01.28 ID:qwc16/mI0
 === 
  
  かくかくしかじか。古来よりこれほど便利な言葉も存在すまい。 
  
  千早と瑞希の複合体はどうして自分たちがこのような機能美溢れる姿となったのか、その理由を春香に説明した。 
8: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/04/05(水) 18:57:54.38 ID:qwc16/mI0
  
 「仕方が無いからもう一度、春香にも分かりやすく説明すると」 
  
 「うわ、スッゴク面倒くさそうな顔」 
  
9: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/04/05(水) 18:59:14.96 ID:qwc16/mI0
 === 
  
  そうこうしている内に二度目の説明。今度こそと意気込む春香の顔は自信満々。 
  彼女はソファで再びくっついた、千早たちを見下ろすように仁王立つと。 
  
10: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/04/05(水) 19:00:20.60 ID:qwc16/mI0
  
 「でも……二人羽織って地味じゃない?」 
  
  次の瞬間、瑞希が何処からともなく取り出した小型のクラッカーを打ち鳴らしたかと思えば、 
  その場にいくつもの紙テープと、小さな国旗が舞い踊る。 
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