過去ログ - 【安価】京太郎「冥球島?」睦月「バントをしない2番打者」【咲-Saki-】
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28: ◆0RbUzIT0To[saga sage]
2017/04/08(土) 03:08:13.00 ID:7j+Z2fiu0
誠子「は……え?」

その光景を、誠子は1塁ベース付近で見ていた。
彼女の予定では、ここからガッツポーズを取った後ゆっくりとダイアモンドを一周するはずだったのだ。
しかし、相手の守備陣はベンチに戻り始めている。
3アウトが取れた。これから、次の自分たちの攻撃が始まるのだから。

それを見ても誠子はしばらく現実を認識できていなかったが。

あぁぁぁぁ……

誠子「うっ……」

観客「うーんこの」「行ったかと思ったらただのライトフライだった」「切り替えていく」

観客たちから漏れ出る、ため息、そして失望の声。
それを耳にし、誠子は現実に引き戻される。
それは今、誠子が一番聞きたくない声だった。
それは今、誠子が二度と目にしたくない光景だった。

誠子「(なんで……なんで? 私のカードは……小笠原の筈じゃないの?)」

思わず、ポケットから所有カードを取り出してみれば、そこにいるのは確かに小笠原である。
紛れもない、巨人軍を救った救世主。

誠子「(ロクに名前も売れてない……1.5軍レベルだろう投手相手に、こんないいように打ち取られるような打者じゃない。
    なんで……どうして……? ここでも私は……)」

1打席目でも、彼女は打てる球と思ったボールを振った。しかし、芯を外した。
2打席目でも、彼女は打てると思ったボールを振った。芯を捉えたが、飛ばなかった。

その現実は、認識したくても認識したくない。
しかし、否が応でも、野球に詳しく、それなりに頭のいい彼女は理解をしてしまう。

誠子「(足を引っ張るのか……?)」

当たれば飛ぶ、しかし当たらないという佳織よりも更に下。
そもそも当たらないし、当たっても飛ばない。自分がそのような存在になってしまっているかもしれない、という事に。


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