過去ログ - 走れアカネ
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6: ◆WlH5kArGpE[sage]
2017/04/08(土) 22:10:10.89 ID:8f+Rtbzdo
 茜は更に押して頼んだ。ニュージェネレーションズの二人も頑強であった。なかなか承諾してくれない。昼休憩が終わるまで議論を続けて、やっと、どうにか二人をなだめ、すかして、説き伏せた。 

卯月「それじゃ凛ちゃん未央ちゃん、島村卯月、行ってきます!」 

 島村卯月の、二人への宣誓が終わった頃、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降り出し、やがて車軸を流すような大雨となった。カフェで休憩していたアイドル達は、何か不吉なものを感じたが、それでも、めいめい気持ちを引き立てて、狭いカフェの中で、むんむん蒸し暑いのもこらえ、陽気に歌をうたい、手を拍った。茜も、満面に喜色をたたえ、しばらくは、専務との約束をさえ忘れていた。 

未央「ってオイ」 

凛「だから茜、すぐに戻らないといけないんじゃなかったの?」 

茜「そ、そうでしたー!!」 

 ままならぬ事である。茜は我が身に鞭打ち、ついに出発を決意した。終業時間までには、まだ充分の時がある。ちょっと一眠りして、それからすぐに…… 

凛「だから茜、今すぐ戻るんじゃないの? 急ぎじゃないなら、卯月もレッスンに参加させたいんだけど」 

茜「も、申し訳ありません……」 

 茜ほどのアイドルにも、やはり疲れというものはある。休憩も終わり、レッスンに行きたがっているらしい凛に近寄り、 

茜「それではレッスン頑張ってください! 私は少し疲れたのでちょっと休んで、それからすぐに出発します! 大切な用事があるんです! 卯月ちゃんがいなくても! 凛ちゃんには未央ちゃんがいるから決して寂しい事はありません! 私の一番嫌いな事は! 人を疑う事と、それから……」 

凛「ごめん茜、私達もうレッスンに行かないといけないから」 

 茜は、それから未央の肩を叩いて、 

茜「時間が無いのはお互い様です! 私の方も、取り得といっては、体力と情熱だけです! 他には何もありません! 全てをかけましょう! もう1つ! 卯月ちゃんと同じユニットになった事を誇ってください!」 

未央「い、いやぁ茜ちん……よく分からないけど頑張ってね……」 

 未央は首をかしげ、困っていた。茜は笑って卯月にも会釈し、レッスンに行く凛と未央を見送り、椅子に座り込んで、死んだように深く眠った。


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