過去ログ - 夢野「強くてニューゲーム……ってウチなのか?」『ダンガンロンパV3』
1- 20
472:名無しNIPPER
2017/04/21(金) 03:44:00.70 ID:mapzSgnM0
きっかけは、わからない。
だけど、いつの間にか、いつも目で追いかけるようになっていた。

2本の太い三つ編みに、度の強い眼鏡のせいでより一層小さく見える瞳―― 一般的には「可愛い」とは言われにくい地味な容姿、運動が非常に苦手、勉強も人並、いつも一緒にいる友達としかほとんど会話を交わさない内向的な性格。
言葉にすれば、何が魅力なのかわからないと言われてしまうだろう。

それでも、たとえ目立たなくても、彼女はとても気の利く優しい子だった。
教室の花瓶の水の入れ替えを毎日していたのも、花壇の折れそうな花に添え木をしていたもの、校庭の木の上にある巣から落ちた雛鳥を怪我が治るまで世話していたのも、暫く入院していた教師が退院して授業を再開する際に教壇に椅子を用意していたのも、廊下に干してある掃除用の雑巾を綺麗に並べ直していたのも――全て彼女だった。
誰かに言われる前にそのような行動を当然のようにできる優しい彼女に、少しずつ心惹かれていったのだ。

「お前、いつもアイツのこと見てるよなー…もしかして、好きとか?」

そう友人に指摘されるまで自覚していなかったけれど、俺は、彼女が好きだ。
優しい彼女が、いつの間にか、とても好きになっていたのだ。

恥ずかしくて会話もしたことがないし、目を合わせたことだって多分ないだろう。
彼女は俺のことをただのクラスメイトだと思っているに違いない。
こんなに距離があるのに“好き”だなんて、おかしいかもしれない。

それでも、俺は――




原裕一郎(男子十三番)は、目の前で起きた出来事を信じることができなかった。
心臓に響くような破裂音の数瞬後、裕一郎とはサッカー部で張り合ってきたライバルであり認め合った友人でもある横山圭(男子十八番)がゆっくりと崩れ落ちたのだ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/716.88 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice