過去ログ - 千歌「――私はある日、恋をした。」
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73: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/04/09(日) 13:53:21.18 ID:kLIl0PWso


    *    *    *





――秋風もそよぐ季節になってきた頃

わたくしたちはデートをしていました。

……とは言っても、人目に付かないように普段から千歌さんのお家デートばかりでしたが……

――今は珍しく外にいます

三津海水浴場――千歌さんのご実家のすぐ前にある浜辺ですわね――に二人で並んで座って夕陽を眺めていました。


千歌「ダイヤさん……」

ダイヤ「なんですか?」

千歌「んーん……呼んでみただけ」

ダイヤ「……そう」

千歌「うん……」


秋の浜辺には人影はなく、だだっ広い景色を二人で占領していました。

二人静かに夕陽を眺めていると……千歌さんがコテンとわたくしの肩に頭を乗せて来ました。


ダイヤ「……千歌さん」


左肩を占領されてしまったので、右手を千歌さんの方に伸ばして頭を撫でる。


千歌「……えへへ」


……本当は普通の恋人のようにいろんなところへ出かけたい。

だけど、それは出来ないと言ったのはわたくし自身

……むしろ、千歌さんには行動制限を強いてしまっているのに、千歌さんは文句一つ言わずにわたくしの傍にいてくれる。



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