過去ログ - 佐久間まゆ「たった一つの光、願い込めて」
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18:名無しNIPPER
2017/04/09(日) 16:42:59.20 ID:ltgFqpYMo
「最初は、君のことを苦手だと思っていた。でも、レッスンやライブに一生懸命な君を見ていたら、どうしようもなく君が愛しくなってきたんだ」

 まるで夢のような言葉に、私はただ泣き続けることしかできない。

「俺はプロデューサーで、君はアイドル。こんなことがあってはいけないのはわかっていたさ。だから俺は、君とつかず離れずの距離を保った」

 そして、プロデューサーさんは、喉を鳴らして笑う。

 またいつもの、泣き出しそうな笑みを浮かべているのだろう。

「君は俺から離れるように努力して、俺は君と離れすぎないように努力して。はは、皮肉なものだ」

 そして彼は、毛布を抱く腕の力を緩める。

 私は、もう一度彼を見つめる。

 涙でぐちゃぐちゃな顔を見られなくて、辺りが暗くて、本当に良かった。

 きっと私の泣き顔とプロデューサーさんの表情をうかがい知ることができるのは、夜空に散らばった星と月だけなのだろう。



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