過去ログ - 佐久間まゆ「たった一つの光、願い込めて」
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20:名無しNIPPER
2017/04/09(日) 16:45:33.26 ID:ltgFqpYMo
「それから、君がアイドルを引退したら、俺がプロデューサーを引退したら、今までできなかったことを少しずつ埋めていくんだ。時間をかけて、ゆっくりと。それまで、待ってくれるか?」

「うふ、他の子から迫られても、私を捨てないでくださいね?」

「はは、まゆこそ、俺を捨てないでくれよ?」

 毛布から視線を上げて、私たちは暗い輪郭を見失わないように、自然に顔を近づけてゆく。

「キス、してください。月と星しか、見ていませんから」

 私たちの距離が近づく。プロデューサーさんの吐息が感じられるほどに顔を近づけて、私は彼の瞳をもう一度見つめた。

 流れ星が一筋、私達の上を横切るように流れる。

 私は目を閉じて、緊張を隠しながら彼を待つ。

 緊張で震える唇に彼が気づかないように、ほんの少しの願いを込めて。

――――FIN



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