過去ログ - 【モバマス】P「雨に唄えば」 -SS速報VIP

過去ログ - 【モバマス】P「雨に唄えば」

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/09(日) 22:10:57.98 ID:c3gscyX00

私のプロデューサーは、いつも口ずさんでいる歌がある。

聞き覚えはない上に、英歌詞をやけにネイティヴに歌うものだからフレーズも聞き取れず、それがなんという歌なのか調べることもできない。

以下略

3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/09(日) 22:12:52.69 ID:c3gscyX00

二十歳になった私が入社したのは、多くのアイドルを擁する芸能プロダクション。業界でもそれなりに名の知れているところで、流行りに疎い私でも名前ぐらいは知っていた。

芸能プロダクション、という言葉に笑いがこみ上げそうになる。

以下略

4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/09(日) 22:14:52.99 ID:c3gscyX00

「……どうかしたか？」

と、突然吹き出した私に、プロデューサーが不思議そうな目を向けた。

以下略

5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/09(日) 22:17:57.72 ID:c3gscyX00

我ながら、どうして誘いに乗ったんだろうか。

こんな身なりをしている私を、あの鼻唄プロデューサーはスカウトしてきた。

以下略

6:名無しNIPPER[saga]
2017/04/09(日) 22:34:04.57 ID:c3gscyX00

スカウトされたからには、私にも何か輝くものがあるのかもしれない。

しかし、そんな淡い期待は、入社してすぐに木っ端のように砕けてしまった。

以下略

7:名無しNIPPER[saga]
2017/04/10(月) 03:32:49.05 ID:2xCPKBDB0

それでも私がすぐに事務所を辞めなかったのは、スカウトされたという事実に基づくささやかな自信と、もしかしたら自分も同僚たちのようになれるかも、という色の薄い希望。

それから、レッスンをしているだけでも生活手当が出る、という浅ましい事情があったからだ。

以下略

8:名無しNIPPER[saga]
2017/04/10(月) 07:30:56.98 ID:2xCPKBDB0

レッスンを終え、ヘトヘトになった体を引きずって事務所に戻った。

ドアを開けると、

以下略

9:名無しNIPPER[saga]
2017/04/10(月) 08:13:58.75 ID:2xCPKBDB0

「そうなんスよ。……あ、トレーナーさんって姉妹なんでスってね。今日からお姉さんの方でした。いやもうキツイのなんのって。……さすが姉ってとこでスかね」

「……えーっと」

以下略

10:名無しNIPPER[saga sage]
2017/04/10(月) 08:52:38.35 ID:bLelCO5SO

トレーナー一家の恐怖に頭を抱えていると、馴染みのある音楽が小さく聞こえてきた。

「……あっ」

以下略

11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/10(月) 09:20:05.01 ID:Zx8DL9xz0

（眩しいっスねえ……）

プロデューサーと楽しそうに話す二人を見て、心から思う。
コロコロと表情は変わり、そのどの顔もとても愛らしい。ネットの噂じゃ『特徴がない』だの『ぽっちゃり系』だのと揶揄されることもあるらしいが、それも愛されているがゆえのものだろう。

以下略

12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/10(月) 09:51:35.41 ID:bLelCO5SO

ビルの廊下を歩いていると、何人もの人とすれ違う。

その人たちと挨拶を交わすのも慣れてきたが、一体どれぐらいの人が私をアイドルだと見てくれているだろう。

以下略

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