217: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/06/06(火) 02:00:34.74 ID:OiEAeJeU0
EVEの中に存在するVR空間内、そのハッキングをエクスは再開していた。松明を片手に、この洞窟に必要と言われたものを探しに探索を進めている。
ここのところの急務で肉体的な疲労を感じている。そのことが影響するとすれば、何かの事態に対しての反射ぐらいで、この空間で身体を動かすことそのものに影響はなかった。身体と思考がわかれているかのような矛盾を抱えて、闇の奥へと進んで行く。
この洞窟に入る時に、君なら大丈夫だろうと慰めにもならない言葉をかけて消えた以降、山海を模したAIは姿を見せていない。何を企んでいるかわからない分、いないことの方が余計な心配がよぎる。もはや背後には明かりはなく、狭く暗い空間に居れば明るい発想は出来なかった。
奥へ奥へと入っていくと、下り階段が現れた。その先を見ようと松明を掲げると、眼下に扉が見えた。何かがいる様子はない。ここまで罠といったものはなかったが、変な物はないか警戒しながら降りていく。
長く感じるその道を降りきる。見えていた扉は、灰系統の色合いで出来た石できている。高さはエクスの2倍はあって、あからさまにこの先には何かあると言っているようだ。
1つ、2つと意識的に呼吸をしてから、扉に手を触れる。軽く押すと、重さを感じずに開いていく。この先に何があるのか、AIの構成と構築部分に関するデータが表示されるウィンドウはまだ、答えは表示されていない。
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