338:ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間 ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/07/21(金) 05:18:22.58 ID:TR6Fx+cb0
『もう1つ(IF)のフェアリー』
WWPの兵士達は恐怖していた。理解できない、その超能力(いじょうげんしょう)に。もちろん、相手は想像もできない力を持つ超能力者であることは承知の上での話だ。これまでもゾンビ、同じような異常を持つ変異体とも戦ってきた部隊を持ってして、そう感じられる相手だった。
そう、殺したにもかかわらず次々現れる敵、しかもそれは同じ可憐な少女なのだ。
銃で撃ち殺して倒れた後、力なく地面に崩れ落ちて透明になって消える。切り殺そうと、爆殺しようと、同じよう死を感じさせる動きをして消え、そして新たな同じ少女が周辺で微笑んでいる。
殺したはずなのに殺せないのか。そもそも自分達が幻覚を見ているのか。少なくても、相手はどこからか回収した武器を持ち、攻撃を仕掛けてくる。近接武器なら、それは感触を持って襲ってきた。こちらが刺し殺す時も、その感触は手に残る。だから、これは少なくても幻覚ではない。
こんな戦いを続ければ、銃弾は空にならざる得ない。兵士全体で合わせて50人以上と相手をしたのだ、これは通常の一戦闘行ったのと等しい。なのに、いくら処理しようと少女達(それ)は包囲するように居る。
そして今度は、お返しとばかりに隠していたらしい火器を持っていた。兵士達は装備があるとは言っても、生身に当たれば死に、そのまま残る。
――降る銃弾の中で、また新たに出現することなど出来る訳もない。
骸が転がり、血が広がる。その中で這いずるように動くのは1人だけ、コツコツと何かが近づいていく。誰であるか、瀕死の兵士には否応にでもわかりきったこと。肩を蹴飛ばされ、仰向けになると少女がほほ笑んで顔に向けて銃で狙いを定める。
「ふふ、私と遊んでくれてありがとう」
発砲音がこだまして、粘ついた液体に金属が落ちる。戻ったのは静寂と、残ったのは撃った骸、そして一人の少女の姿だけ。
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