過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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376: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/08/19(土) 03:11:08.52 ID:cilu0gxg0
「こ、こんばんは…」

恐る恐るという様子で、フェアリーは拠点の2階にあるテラスの外側から、顔だけ出して平山に挨拶した。最初は驚いていた彼女も、最近では当たり前になったこともあって、どうしたのか確認する。

「ん〜ん、なんにもないよ」

その言葉とは裏腹に、フェアリーはテラスの中に入って、平山の後ろに浮遊している。何かいたずらをするということもないので、彼女も気にしないで警備に戻った。

まだ冷たい夜風が入り込む。肌寒いが、それが刺激になることで重要とわかりつつも、冗長になりやすい警備の仕事で起きる眠気を取り払ってくれる。

「ねー、みなこおねーちゃん」

「なんですか?」

振り向きはしないものの、話を聞いている態度から、フェアリーは言葉をつづけた。

「おにーちゃんとみなこおねーちゃんは兄弟なの?」

それが、放浪者とのことだと少し遅れて気づいて、流石に驚いた平山は振り向く。フェアリーはおずおずとした様子ながら、だって2人とも似てるからと理由を告げる。

「いえ、自分には兄弟はいないはずですから、違いますよ」

「そうなんだー、でもおにーちゃんといる時みたいに、みなこおねーちゃんといるとホッとするよー」

慣れてきたのか、微笑みながらその場でクルクルとフェアリーは回る。

「(似ている、か)」

考えたことはなかった。だが、そう言われたことに、彼女は悪い気はしなかった。


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