412: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/06(水) 15:03:30.43 ID:mcGKW3TY0
「たく、あのバカ野郎はなぁ…」
無線からの連絡を受けて、保安官は愚痴る。半分は薄々勘付いていた事ではあっても、実際にそれを実行されると、頭も無性に掻きたくなるというものだ。しかも、独断による単体による強襲。それぞれにある都合というものがあることを含めれば、尚のこと。
「ジェーン。俺はこのまま援護に向かう、お前は拠点のところに行ってこい。多分、研究所のサポートチームが来るだろうからな、そのまま協力してくれ」
「1人じゃ危ないよ! 保安官も拠点に行って、誰かと合流してから行かないと!」
彼女のいうことはもっともだ。保安官も手練れの生存者であるとはいえ、彼の持つスキル、狙撃は本質的に多数と戦うのに向かない。つまり量、という武器を持つパラノイアとは、彼の持つスキルは相性が良くはないのだ。
しかし、状況は明らかにひっ迫している。放浪者がいつ飛び出したのかははっきりしていない。冷静な彼が、常に戦い続けているとは思わないまでも、話しに聞いたバリケードの内部に何が眠っているかはわからない。
「先に偵察ってもんが必要だろ? 安心しろ、こっちに向かってくる班が来るまで戦いやしねぇよ」
「…わかった。絶対死なないでね!」
おう、約束だからなといつも通り豪快に笑う保安官を見て、ジェーンは少し落ち着いた様子を見せた。それは、保安官の内心とは対照的なものだった。
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