417: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/06(水) 18:12:41.76 ID:mcGKW3TY0
工作班も、強襲班から遅れて出発を開始した。目指すは、第一破壊目標としているバリケードへ。放浪者が強襲をした以上、次々とバリケードに向かって進撃を開始することは、パラノイアはわかっているはずだ。もしかすれば、この道中で待ち伏せがあり攻撃を仕掛けられる可能性は十分ある。
車両は2台に分かれている。前方に山中、西切、フェアリー、小間城、風虎のワゴン。後方は残った一ノ瀬、林道、EVE、エコーが乗る乗用車だ。
反動を握る山中の目線は、強い意志を持っている。不安の陰りも見えない、最初からこうなることを知っていたかのようで、それを見た西切は確信を抱いた。
「やっぱり、止めなかったんですね。山中さん」
答えはなかった。反応する素振りさえも、まるで聞こえていなかったようにも見える。
「まぁ、私も止められなかったんですけどねー」
「だと思っていましたよ」
逆に自分は、その言葉に反応してしまう。その返しも、確信も持った強いものが宿っていた。
「でも、その事に怒ったりもしません。あの人はどうあれ、止められるような人じゃない。そして、約束を破る人でもありません。なら、それでいいんです」
「…はは、敵わないなー」
心配を抱いているなら、結局それは、信じきれないということ。そのことを理解した西切は、そうこぼすしかなかった。
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