432: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/18(月) 05:15:46.56 ID:1CpVPgzU0
工作班と合流を急ぐ井門達だったが、想定以上に攻撃が激しさを増していた。確実に拠点のメンバーの人員を減らそうとしている。そんな意図を持っているようにも思えた。
井門が救いだと思っているのは、運転手が佐田ということだった。運転技術ということも十分あるが、この状況に置いてもさほど動じていない。もし、これが他の警備組のメンバーだったとしたらこうはいかなかっただろう。
「ふん、予定地点から遠ざけられているな」
「なんとなく予想はつきますがね」
火線をあまり止めないように、自分へ向かってくるゾンビへ撃ち込みつつ、この状況になったことを判断する。
「(つまりは、銃を使う奴が結局厄介ってことだな。パラノイアにとっても)」
バリケードの破壊は、一時とはいえその場所に待機しなければいけない。そうなると、距離を詰められるまでに襲ってくるゾンビをいかに減らせるか、それが成功へのカギとも言える。言葉を変えれば、それを阻止することがパラノイアにとっての成功のカギということだ。
今やっていた作戦自体、強襲班をバリケード内部へ侵入させる為の攪乱ではあり、それは恐らくは成功している。だが、パラノイアも又その成功の代わりに自分達も目的地へ行かせないという手に、切り替えた可能性が高い。
「遠回りだが…。ふん、いったんエリアから出るぞ!」
「快適なドライビングで頼みますよ!」
ほざけと短く返して、佐田はアクセルを踏み込む。彼であっても今襲ってきているゾンビの間を縫って、合流ポイントへ向かうのは至難だった。ならば、放浪者の言葉に従い、確実な手段を選ぶしかない。合流が大幅に遅れたとしても、それが生き延びる為なのだから。
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