474: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/10/24(火) 18:59:38.52 ID:5nVlOFDz0
高速道路エリアと大通りエリアを繋ぐ大型の道路、そこをジープは横切る。バリケードがあるのは進行方向右手だが、そこは惨劇時に敷設されたと思われるバリケードによって塞がっていた。
そして、もう1つの銃声は明らかにその向こう側から近づいてきていた。
このバリケードの向こう側は、建物に挟まれていて左右に抜けられる場所はない。井門はそう記憶している。言い換えれば、第三勢力は袋小路に入り込んだということだ。
「(どうする、助けに行ってる余裕なんてあるか?)」
しかし、そんな疑問も更なる疑問によって押しつぶされていく。射撃音が止むことも、車の駆動音も明らかに止まらない。
「――離れるぞ!」
瞬時判断した佐田は、バリケードから離れる位置にハンドルを切った時だった。何かが乗り上げる音がして、そこを井門が見ると、ワンテンポ遅れて装甲車がバリケードから飛び出してくる光景だった。
スローモーションのそれが、通常速度に戻ると何度かバウンドしてから大型道路の中央に止まった。装甲車の頭に顔を出している2人に、見覚えはある。拠点に物資交換に訪れる、行商達だ。
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