482: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/10/26(木) 17:21:21.80 ID:I9UFTvBe0
一陣の風が、都市の全域が見える丘の上を吹き抜け、その後ろにある木々の中に吸い込まれていく。都市からは聞こえてくる銃撃の音は、耳をすませばその風に乗って聞こえるのかもしれない。
風に紫煙が紛れる。それ以外そこにあるのは自然そのものだ。あるがままのように見える。
戦いはまだ続いている。この都市をゾンビから取り返せるか。否か。運命がどちらに判定を下すかという次はない。余地がなければ、全力を出すのは容易く、だからこそ戦火は更に大きくなることも想像させた。
そしてそれと対比するように、この丘の状況は静かだ。その事と何も無関係と主張するような、あるべき静の姿。惨劇を迎えた後でも、戦いを止められない人間を皮肉るように、取れるのかもしれない。
もしかしたら戦いこそが、人のあるべき動の姿なのかもしれない。あるいは、動物にカテゴライズされる存在は、それがすでに自然なのかもしれない。生きる為に動く(たたかう)という自然の摂理に、従っているだけ。
一陣の風が吹き抜けた。あるのは自然のそのものだった。
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