過去ログ - これから日記を書く 七冊目
1- 20
530: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/12/08(金) 19:39:08.79 ID:3dL1D2Vg0
『放浪者ああああああああ!』

怒声。飽きもせず、繰り返される憎悪を主体とした殺意を攻撃を模すように、パラノイア、いや、キングは放浪者へ耳ではなく脳みそへ直接それを叩きこんだ。

純粋な殺意を、感覚器官の集合体であり脳へ直接送り込まれているにもかかわらず、放浪者に動揺も、恐れも、それこそ、その事へ反発するような敵意もなかった。あるのは、完全なまでに刻み込まれた目的。

「………」

何も答えない。それはもう終わったことだ、何度目かの強襲、その間に言葉を介さない精神(テレパシー)を使った問答は済んでいる。分かり切っているのは、互いに潰す敵でしかないこと。

もちろんお互い、相手を処理することに関して一切の躊躇はない。だが、放浪者だけはキングに対して憐れみを感じていた。もし、変異体(ゾンビ)にさえならなければ、もしかしたら――。

僅かに宿った夢想はかき消して、大型駅エリア。その大型駅前にある大きな広場の前に放浪者は降り立つ。周囲には、当然とばかりに用意された変異体を主体にしたゾンビの群れが彼を包囲する。

「…処理を再開する」

ウェーブソード・デュエルを抜き、放浪者同じようにその群れの中へ音もなく紛れ込んでいった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/657.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice