545: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/12/14(木) 04:01:37.78 ID:32xEBG740
オーガとの戦いは防戦が精いっぱいの状況が続く。その巨体に似合わない速さは、狙い撃つという動作の余裕を与えない。分厚い筋肉に覆われている以上、明確な急所、頭部に攻撃を加える他ない。
機械(アンドロイド)による緻密な計算(プログラム)を持つ正確な射撃も、回避を優先して荒道を走り回らなければいけない状況では、意味をなさない。何より、ロッサはそういった事の経験はほとんどない。その上、これまでの調整も、片腕が使えないという状況は一切想定もされていなかった。
人間であれば、この状況は絶望し、恐怖を覚えるだろう。そして大抵、その恐怖を活かせないまま、強力な拳で肉片にされるのがオチだ。アンドロイドであるロッサにそれはないことが救いか、どうか。
避けられることにしびれを切らしたように、オーガは突進後側にあった自動車を持ち上げ、ロッサに投げつける。剛速球のように飛んでくるそれを、かろうじてロッサは避けた。
同時に、投擲によって動作を止めたオーガの頭部に向けて、銃撃を行う。それが、これまでの防戦の中で唯一出来た狙える隙だった。
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