581: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/12/25(月) 19:58:46.34 ID:5r0+B1ql0
もう一つの感覚。それは何と言えばいいのか。真夜中、物静かな部屋で無音のテレビをつけた時のような、無いと発信された音を聞くような、そんな感覚。
つまり、何かがいる。パラノイアかも知れないし、全く別の変異体。あるいはミュータントの類。それがこの周囲にいると、ハンターは考えた。
「…。はん、そうすることが答えってことだろ?」
チェーンソーを起動して、右口角を上げて歪んだ笑みを浮かべる。つまり、今までは気づかれず別の場所に居させる為に、自分に何も仕向けなかったということだ。だから、自分の考えが当たっていたという証明として、ぞろぞろと新しい群れが押し寄せてきていた。
自衛の為と考えるのがシンプルだろう。パラノイアが自身の居場所を隠す為、何もせずハンターが通り過ぎるのを待ったという可能性はなくにはなかったが、そもそも好戦的な相手と聞くだけに想像できない。なら、たまたま今、パラノイアが対処しなければいけない事態が解消したから、攻撃を再開した。とも彼には思えなかった。
明確に、パラノイア以外がいると考えたタイミングで起きている。それはつまり、同じような存在がこの大型駅にいるということを、応えてくれたのだ。
チェーンソーの駆動音が木霊する。まだ見ぬその相手を、威嚇するように。
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