622: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/02(金) 16:55:58.17 ID:0eOq+lUd0
次に明確に動き出したのは、正面、山中と林道がいる方面に向かって、2体の上位種が攻撃を仕掛ける。気合の雄たけびをあげ、林道は電気ロッドを振るう。上位種は、それを左の刃で受け止め、残った刃で彼の胸中央部分目がけて勢いのまま貫こうとした。
その右の刃が触れた感触は、空だった。何もなく、視界に林道はいない。その状態で左半身に強烈な衝撃が奔り、虚を突かれたことで抵抗も出来ず、上位種は衝撃のまま後ろに倒れていき、今度は腹部へ鋭い先端が突き刺さり、更に加速した勢いで全身を地面に打ち付けた。
カチンという音共に、全身がはじけるような衝撃を伴う痛みで、上位種は痙攣する。腹部へ突き刺さった感覚のそれが無くなり、全身の力が抜けて、首元に鈍く形容したくない音が最初に来て、喉元に溜まった何かを吐き出して、身体を動かすことが出来なくなった。
「次…!」
林道はこの処理を電気ロッドがあったからに過ぎないと考えている。無手で遭遇すれば、この速さを考えると逃げることもできるかどうか。だからこそ、処理の早さは早い方がいい。時間が残れば、その脅威は簡単に牙を剥くのは誰でもわかりきったことなのだから。
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