645: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/10(土) 17:12:32.80 ID:xWIuVaym0
ゆっくりと近づいていく。珍しくチェーンソーを起動させることもなく、それこそ淡々とした様子でハンターはその変異体に近づいていく。褐色肌の、アクスマンやソードマンの亜種と同類と思われるそれは、その彼に反応することはない。
だが、抵抗と思われるゾンビや変異体がハンターの入ってきた出入り口から、殺到してきた。いつもなら好戦的な態度を示す彼が、今に限ってどこかその状況を他人事のように見ている。もちろん、戦意を失ったわけではないが、処理する時のそれも普段の激しさはなかった。
説明するまでもなく、ハンターが全て処理し終えた後。亜種、いやブランクへと近づいていく。首を切断できるまで、あと一歩というところで、頭に叫びが叩き込まれる。
『やめろおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!』
「やめねぇよ」
チェーンソーではなく、持ち替えていたナタでブランクの首を斬りはらった。叫びはブツンと途切れ、静かに聞こえたのは『あ、りが…ぅ…』という、か細い声。
「……。胸糞のわりい」
これからあるかは知らない。それでも、憐れみを感じた初めての変異体だったことが、ハンターの心に刻まれた。
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