65: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/04/25(火) 02:09:55.58 ID:GpWFD7CH0
2人の少女共に、銃へと手を瞬間的に伸ばそうとして、止まった。1人は自身が身に着けた護身術から相手の戦力を理解してしまい、もう1人は攻撃しようとした時に相手の攻撃を止められない予感が身体を貫いた。頼りの綱は眠っているもう1人の仲間だが、それでも目の前の男に敵う想像は出来ない。じわりと、汗がにじむ。
「…驚かしてすまない。俺の名は放浪者。単刀直入に言おう、DJフレンドとの会合の場を設けたい。着いてきてくれるか?」
放浪者の言葉を2人が素直に受け止めることはない。それは彼もわかってのこと。しかし、敵対する気はないと理解に時間を割くより、目的を話した方が齟齬は起きないと判断してのことだ。
「マジで、どうしよう…」
「放浪者…、さんでしたね。そもそも私達がなぜDJフレンドとお話しなければならないんですか?」
その質問に、何も隠さない。3人組について、状況からどういう勢力であると考えているかや、自分とDJフレンドの関係を伝える。まだ、半信半疑な様子は隠せず、ゆっくりと2人は放浪者から距離を取ろうとしている。だが、この状況から逃げ出すとは放浪者は思っていない。眠っている仲間がまだいて、かつ追跡者に追いかけまわされながら、WWPがいる地域を逃げ回るのは現実的ではない。
目の前で自分と対話しようとしている女、いや、少女はかなり理知的と言えた。こちらを探るために、あえて対話をしようとする意志も感じられる。それだけにやりやすさを放浪者は感じていた。
「…一部、信じられない話をしたとは思うが、事実だ。あとは君達がどうするかに任せる」
「……。えぇ、わかりました」
後は本当にこの勢力の判断次第だ。自分達は敵対意思がないことを伝える、という最低限は達した。その上で、可能であれば今後どうすればいいかの話もしたい訳だが、無理強いできることではない。
ただ、この若い男女3人組を少なくともDJフレンドの勢力として組することが出来れば、結果としては最高になる。
「ど、どうすんの?」
「…先輩を起こそう。話は、それからだよ」
放浪者はそれを聞いて、ゆっくりと、壁にもたれかかり待つこととした。
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