過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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681: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/20(火) 15:40:59.43 ID:WwhLp3bQ0
実のところ、キングもこの決戦において、その技術を磨いていた。大型駅内で放浪者と対峙した亜種も、その訓練相手としていたのだ。だが、結果は無残な敗北。具体的なダメージも負わせられないどころか、脅威を改めて理解させられた。

はっきり言うなら、キングの技術は処理された亜種達と何ら変わらない。今何とか、放浪者に付いてきているのは、全身全霊で能力を使い放浪者に集中し、激情という感情を糧に喰らいついているからだ。

だが、感情というものにも限界がある。すべからく、維持し続けられるものではない。喜び、悲しみ、怒り、楽しみ。それらを四六時中、維持し続けられる存在はいない。それは生き物として、変化し続けなければならない以上、避けられないことだ。

『この…!』

だからこそ、拙速を生む。防戦ではない勝てないという焦りが、許してはならない隙ができた。そして、対峙している相手はそれを見逃すような、相手ではないことはキングが何より知っていた。

一閃。

キングにはあり得ない、気付けば放浪者は後ろにいた。まるで時間を切り抜いたように、そこに。キングは振り返ろうとして、上半身がそのまま仰向けに落ち、下半身は両足をクロスさせながら横に倒れた。


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