722: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/26(月) 01:22:04.95 ID:4Lj0x3aA0
「なんで勝手に1人でいっちゃうんだぞ? 皆心配したんだぞ」
「(そうだよー! スラもしんぱいだった!)」グニュグニュ
心配してくれる存在、声はわからずともスラもそう言っているのが分かり、放浪者は静かに微笑み、2人の頭を撫でた。
「むぅ、そうじゃないんだぞ」
「…心配させたのは謝ろう。だが、作戦上必要なことだった。俺は何一つ、2人も、メンバーも疑ったことはない。トラブルがあっても無事に生き延びて、任に当たってくれる。そう信じたからこそ、こうしただけだ」
この作戦の中で最も賭けだと放浪者が思っていたことは、バリケード内部への侵入だった。ありとあらゆる戦力をキングはかき集めたその内部は、想定通り、想像もしない上位種の姿があった。
対処がわからない相手と対峙する、それが一番、何が起こるかわからない状況に繋がる。そして、その状況を生めば、キングが見逃すはずはなかった。それだけに、誰よりも一番早く、バリケード内部に入り込み、場を混乱させ、上位種(アンノウン)を可能な限り事前に処理しておく。
それが、彼が考えたメンバーの生存率を上げる。最も効率の良い方法と判断したことだった。
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