過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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731: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/27(火) 01:29:26.79 ID:YMK6GQZv0
「小林…、無事皆で生き延びることができたよ…」

月明かりの中、林道は小林の墓の前で今日のことを報告していた。補給部隊に覚と勝が来ていたことに驚いたこと、同時にそれが自然な流れなのだと納得したこと。この奇跡とさえいえる勝利は、間違いなく放浪者によって得られたことなどを、思い思いに。

「…。勝は、きっと近いうちに独り立ちするだろう。それまでに、教えられる技術は教えておかないと。何かあったでは、遅いのだから」

シャランと、金属の奏でる音がした。音は後方、振り向くとそこには錬浄の姿があった。

「経は必要か…?」

「…。いえ、今日は大丈夫です。錬浄さんの方がお疲れでしょうからね」

それぞれが行った任務に、何らかの差があるかと言えば無い。しかし、あのバリケード内で活動し続けるというのは、神経さえも侵される疲労があったのは、想像に難くない。

「我らの任務など、放浪者殿に比べれば微々たるもの…」

「…。今この時ほど、こう思うことはありません」

もっと早く、彼に会えれば、小林は救えたのではないか。それが出来なかった自分への自傷を込めた、言葉だった。


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