744: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/03/04(日) 01:15:03.88 ID:MITiN+fB0
「ハンターさん、いるっすカー」
「おう、どうしたよ佐原」
ハンターが泊まっているモーテルの一室に、佐原が現れた。手には、食料が主に入った袋を持っている。放浪者が今回の報酬として持っていけと言われた旨を伝えて、それをハンターに手渡した。
「やったのはブランクぐらいだがな」
「十分じゃアないっすかね。聞いた感ジだと、残ったコマンダーゾンビの亜種みたいだっタみたいっすし」
それに、渡せる報酬として少ない方だと言ってたという旨も、ハンターは笑う。
「まぁ、使った物資に見合ってるかって言われれば、足りねぇな。貸しにしとくって言っといてくれ」
了解と、佐原は部屋を出ていった。
また、ハンターはこのやり取りを考えて笑う。ここのところ、牙が抜け落ちていた気がした。以前の自分なら佐原がいくら良い奴だとわかったとは言っても、殺す欲求に満ちていただろう。
しかし、バリケード内へ突入する時の感情は、自分で言うのもなんだが、狂気そのものだった。無条件で、害をなす相手に対し、躊躇も微塵もない感情。そして、その中でブランクを殺した時に感じた憐れみ。
今更になって思う。自分はまだ、人間なのだと。だから、笑ったのだ。
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