過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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879:ブレイクタイム  ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/04/06(金) 01:17:29.25 ID:MaWQmIg/0
【アザーゼに咲く花を】
「……」パタン

「読書ですか、EVEさん」

「サンマさん。はい、そうです」

「(EVEさんまで姐御の影響受けちゃったの、どうにかできないかな)」

「サンマさんは、この本を読まれたことはありますか」

「いやぁ、多分、EVEさんが読むような…。あれ、これって」

「特殊な方法で生まれた男の子が、鬼という仮想の存在を、喋る奇妙な動物を用いて処理するお話です」

「ええと、まぁ、うん。それは読んだことありますよ」

「(これがAIとして独自に分析したことなんだろうけど、ずいぶん印象変わるなぁ)」

「最終的に男の子は鬼の財宝を、故郷へと持ち帰る訳ですが、なぜ、奪われたところに返さないのでしょう。やはり所有権がはっきりしない部分の問題でしょうか」

「うーん。児童書ってやつだから。多分そこまで深い部分は考えられてないと思うけど…。悪い事したら倒されちゃうよってことだけだと思います」

「なるほど」

「でも、深読みしたらわかんないですけどね。たまたま鬼達は金山銀山を持ってただけで、主人公はそれを勝手に奪っちゃったってだけかもしれないとか」

「そういう考え方も、あるということですか」

「かなって。綺麗な花が咲いてて、たまたま誰かが摘み取って、それを誰かに奪われたとして。じゃあ本当に持ってていい人って、誰なんだろうな。そんなことになっちゃう気がします」

「その土地の、所有者…。では?」

「俺にはわかんないですけど、でもきっと、本当は誰のものでもない気がします」

「……。参考にいたします」

「参考になりますかね?」

「えぇ、とても」


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