903: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/04/15(日) 01:05:00.18 ID:HcbQwAcZ0
「これは、ドローンですか」
「えぇ、そうでございますよぉ」
行商が訪れ、物々交換をする。社長と喜読を通してみる、その光景は拠点では当たり前になってきていた。目の前にいる行商の長、社長は各地でそういう活動を行っているらしいが、自分達と同じようなところがあるのか。顧客情報として何も漏らさない以上、それは想像の域を出ない。
「なんでまた? 他に必要なものはトレードしたし、別にいいわよ」
「いえいえ、先の戦いで失われたものとお伺いしましたので、その代わりの進呈でございますよぉ」
相変わらずの読めない笑みと、静かに警戒を見せる喜読。いろいろと拠点内にも喰えないメンバーもいるが、惨劇後の世界で一番喰えないのは、間違いなくこの目の前にいる男。
「随分と拠点(うち)に気を回すわね。何かあるの?」
だからこそのストレートさだった。浜村は、算段を踏んだ会話は苦手なのと、それで事をうまく進ませようとするのが、基本的に嫌いだった。
「まぁ、そうですねぇ。まだこれは我々も決定事項ではありませんが、実はご協力仰ぎたいことがございました」
「それはなんでございますか?」
喜読は自分が話を聞くというような態度で、浜村の前に出た。それを見て、にぃと笑みを社長は広げる。
「もしよろしければ、我々の社員を派遣して、この場所に支店を出させてもらえないかの、ご相談でございますよぉ」
それは確かに、一メンバーが独断で判断できるような内容では、なかった。
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