945: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/04/30(月) 02:23:51.62 ID:aGfbAVbS0
「…これで幾らか発電施設の敷設も進むか」
雨が降る中ではあったが、今日の探索組の任務は通常通り進んでいた。その中で、建材になる物資の収集も出来たのは僥倖だろう。
「ソーラーパネルも早めに集めないとダメですね」
「…井門の言う通りだな。もうそろそろバリケード外の探索の目処もつく…。そろそろ商業区北西エリアの、高級住宅街のあたりに行かないといけないか」
そうですねと答え、井門は今いる建物の中から外を見る。久しぶりの雨は、全てを濡らしていく。ふと、こんな悪天候の中での方が、いつも事の進みがいい気がした。
全天候に対応する部隊がもしあるとすれば、それは選りすぐれた特殊部隊になる。思えば自分達はどのような天候でも、ほぼ探索をしていたことを思うと、なかなかに無茶をしてきたことになる。それと同時に、それは自然とそういう部分が鍛えられていたとも言えるのか。
「ひどい雨ス!」
そんな思考を吹き飛ばす素っ頓狂な声と共に、建物の中に入ってきたのは。
「…奇遇だな」
「これは、放浪者さん達もお戻りのところでしたか」
平山が押す大きな台車の中には、探索組と同じように建材となる物資が積みこまれていた。
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