過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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971:ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間  ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/05/14(月) 03:49:56.45 ID:HduJ/1At0
『工業用装着式作業スーツ、HeWS。』

ガシャンガシャンと、機械が港湾地域にある工業地帯を歩く音が響く。潮風に乗ってくるのは、合わせて死と煙の匂い。ブレンドされたそれは、眉をしかめるには十分だった。

『南の方からでかいやつ! DJフレンドの言ってるマッスルゾンビ!』

「あいよ! 遠藤達は大丈夫そうか!?」

『1機、HeWS使ってて大丈夫じゃなかったらキレる!』

だろうなと、その機械の中央部に乗る男は、全力でそれを走らせた。HeWSと呼ばれる、工業作業用に作られたパワードスーツ。外観はまさしく武骨な小型のロボット、中央部に操縦席があり、簡単に鉄パイプで覆われている状態。両腕は作業用に合わせて部品を換装させることができ、二足歩行で移動する。大きさはマッスルゾンビと同じぐらいか。

男の乗っているHeWSの両腕は、グラップルと言われるものを挟み掴む運送用のものだ。本来は木材等を運ぶものではあるが、今はこれをゾンビとの戦いに使用している。

「消えやがれ、化け物ども!」

自分の拳の代わりに、鉄製の拳をマッスルゾンビにぶち当てる。流石に、重量のある攻撃にマッスルゾンビものけぞるが、よろめきながらも自慢の拳で殴り返してきた。

「ぐ…!」

HeWS自体は流石に無事だが、中の人間にはその衝撃は少々堪えるものだ。男はかなりHeWSの操縦に慣れているが、無茶な動きをさせた時、操縦者の快適さは全く持って皆無。その状況に合わせて。

『HeWSのメンテナンスだった楽じゃないんだから、壊さないでよ!』

「へーへー、優秀なメカマンは人よりメカの方が大事ですかい!」

もはや手足ぐらいには慣れた動きで、グリップ部分を開き、マッスルゾンビの手首部分を掴み引き倒す。ちょうどいい位置に頭が倒れこんだのを確認して。

「あばよ!」

上げた片足で、その頭部をHeWSの全体重を乗せて踏みつけると、ベキリという音がして潰れた。厄介な変異体はいったん処理は完了した。

「遠藤達はどうだ?」

『どうにかなりそうだけど、早く行ってあげて』

はいはいと男は答えて、今日の襲撃は長くなりそうだと心の中でぼやいた。


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