20: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2017/04/10(月) 19:31:20.07 ID:43HseE500
「え、あれって……」
「うわ、あいつ傘持ってる……何だあれ、透明な傘?」
「あんな傘初めて見た!」
少年(辺りが一気にざわめき始める)
少年(自分の事が話題に上がるのが怖くて仕方なかった。今までは)
少年(……もうまったく気にならない。それで良いんだ)
少年(だからこうして、人の目の中で自分の思いを伝えられる)
少年「少女、ごめん。僕は自分勝手だった」
少年「君のためと思ってたけれど、結局ただの自己満足だった」
少年「そのせいで少女まで一人になって……本当にごめんなさい!」
少女「……」
少年「……許してくれなくて良いんだ。でも、謝りたかった。ずっと」
少女「本当だよ。私の気持ちも知らずに……自分勝手に傷つけて」
少年「うっ」
少女「もう……雨に呑まれて気を失ってたんだって? まったく、私が居ないと駄目なんだから!」ニコ
少年「え、じゃあ……」
少女「許しますっ! ほら、発表しに行こ?」
「え、良いけど……練習しなくて大丈夫? さっき発現したばかりなんでしょう?」
少年「……大丈夫です!」
少年(ああ、こんなにはっきり喋ったのはいつぶりだろう。気持ちが良いなぁ)
少年(人の目を恐れてたのが、自己主張をしなくなったのが、傘の邪魔をしていた)
少年(もう自分を殺さなくて良いんだ。僕は何も出来ない「傘無し」じゃない)
「えー、では次は彼らの発表です!」
少女「行くよ!」
少年「うん!」
少年(虹色の霧雨と共に降り落ちる花々。その発表が終わった後は、その場の誰もが拍手喝采をしていた)
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