109: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/04/10(月) 17:01:05.70 ID:LzjXz4kL0
「ごめんなさい、みっともない姿を見せてしまって」
「いいのよ。誰だってこういうことはあるわ。これも、悪魔の宿命よね……」
サターニャは、なんでもないという風に笑ってくれた。
その笑顔を見ていると私の心も少し軽くなるようで、ありがたかった。
「それに、気持ちも少しはわかるもの。私だって、高校生活が終わったら、好きな人と離れ離れだし」
「え、意外ね。サターニャが男子に興味があったなんて」
「まさか。人間なんか、相手に選ぶわけないじゃない」
この辺りにいる、人間以外といえば。
「あ……。今のタイミングでこんな話するべきじゃなかったわね。口が滑ったわ、ごめんなさい」
「世の中は悪魔に厳しくできているのね」
「まあそれは、天使にも、だと思うけど」
「お互い苦労するわね」
「ええ、本当にね……」
私とサターニャは小さく笑った。
本当にどうしようもないと思った時には、無意識に笑ってしまうものだ。
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