114: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/04/10(月) 17:03:26.96 ID:LzjXz4kL0
「趣味ねぇ。男なら、もっと大きな野望をもつべきよ。それで、もう一つは?」
「多分、諦めたんだと思う」
もう一つはきっと、諦観。
鳥籠を出たところで、そこはさらに大きな鳥籠の中。
本質的に同じことがスケールを変えて繰り返されるだけだと、男は悟ったのだ。
だがそれでも、と私は考える。
もし鳥籠の外に美しい鳥を見出したなら、そして、その鳥が一度でも男の名を呼んだならば、
それではきっと満足できなかったのではないかと思う。
自らを閉じ込める檻を壊し、攫いに行かずにはいられなかったのではないだろうか。
もしそういう、かけがえのないものが男にあったならば、爪が割れ、足の皮がめくれたとしても、
外へと向かうことを諦めなかったに違いない。
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