過去ログ - ヴィーネ「愛妻家の朝食」
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79: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/04/10(月) 16:44:29.60 ID:LzjXz4kL0



「いい? 徹夜するときは常に、何か動いているものを見ていないといけないんだよ。

例えば、目の前を虫が横切ったら無意識にそっちの方を見ちゃうでしょ?

これは、本能が目をそっちに向けているんだよ。人は何かが動いている場所では眠れない」



そう、私はオールのビギナーだ。

どうすればいいかもわからず、ただ力任せに……。

ガヴは歌うように演説を続けていた。

彼女は純粋に私のために朝食を用意しようとしてくれている。

いつもとは反対の、そうだ、全く反対の状況だ。

彼女が白い光、熱をくれる存在なら、私は薄暗い影、熱を奪う存在。

目頭に熱を持った何かがこみあげてくるのを感じる。

後悔とか、罪悪感とか、形容しきれない何かを溶かしこんだ、海水と似た成分の何かが。



「あ、でも規則的な動きじゃだめ。眠たくなっちゃうから。

これって多分、母親の胎内にいたときの鼓動を思い出すからだと思うんだけど……」




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