35: ◆9l/Fpc6Qck[saga]
2017/04/14(金) 14:08:38.88 ID:K4jJAe9w0
ここはまるで、夕方のように暗い場所。
眼前に垂れ下がる木々のツルを払いのけるたび、手の甲には黒と黄の小虫どもが粉のように降りかかる。
太陽が真上に登った頃、私はこの島を覆っている鬱蒼とした原生林をかき分け、奥地への探索を進めていた。
色とりどりの虫や小鳥が独自の営みを築き、幾種もの低木の枝という枝が複雑に絡みあう様は、
ここが南半球の手つかずの島であると云う事実を、その姿をもって私に幾度となく思い知らせてくれる。
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