過去ログ - 【モバマス】P「天国の扉を鳴らせ」
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72: ◆XSpMgThnfc[saga]
2017/04/25(火) 00:18:53.81 ID:2cKsh5bP0

「なんだ? それ」

「わかんない。プロデューサーにちょっと前に渡されてさ。なんだろ」

テーブルの上にひっくり返してみると、出てきたのはクリアケースに入った白いCDディスクと、何枚かがクリップで束ねられた紙束。

「CD? と……これ、楽譜だね」

凛が紙束を掴む。
五線譜の上に音符が踊るそれは確かに楽譜だ。

「タイミング的に、ライブ用の曲かな?」

「にしては少なくないか? 楽譜一曲分ぐらいしかないだろ」

もう一度封筒を振るうと、底の方に留まっていた紙切れがヒラリと落ちてきた。
そこには、プロデューサーの書いたものらしい丁寧な文字。


『次のライブのために作った、北条のソロ曲だ。
最後の置き土産、ということになるかな。
バラードでちょっと難しいかもしれないが、
今の北条ならきっと歌える。
頑張れ。曲名は、【薄荷-ハッカ-】だ。』


見た瞬間に、?がじんわりと熱くなった。

そんな様子を見た奈緒と凛が、私の手の中にある手書きの手紙に目を落とす。

「薄荷……」

「……粋なことするね、加蓮のプロデューサー」

「……うん。ほんとにね」

「……なあ、凛。薄荷ってミントのことだよな?」

「ん? うん、そうだよ」

「へー……そういや、ミントとかの食べ物系も花言葉ってあるんだっけ?」

「……食べ物系って……まあ、あるよ」

そういえば、凛は花屋の娘だと聞いている。
草花に関する知識に詳しいようだ。

「ミントっていっても色々あるけど、薄荷だよね。薄荷の花言葉は『貞淑』、『美徳』と、あとは……」

これを聞いて、本当に粋なことをする人だと改めて思った。

「『迷いから覚める』、かな」



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