2:名無しNIPPER[saga]
2017/04/13(木) 23:17:10.25 ID:PxCHan+00
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「それでは、本日は撮影お疲れ様でした」
スタッフのその一声で、撮影は終了となった。
共演者達は、思い思いの方向へと散っていく。
私もその一人だ。
無論、言うまでもないが私は主役でもなければ端役ですらない。
スタッフロールの演者の欄の最下段、たくさんの中の一つとして扱われるのみのエキストラ。
画面を埋めるためだけの存在、代役はいくらでもいるだろう。
そんなことを考えながら、雑踏を離れ静かな場を求めた。
ここならば、落ち着けるだろう。
人気のない噴水のある広場に目星をつけ、縁へと腰掛ける。
……今日も、変わり映えのしない、仕事だった。
自身の容姿が、人目を惹くことは承知している。
だから、それを活かそうと、輝きを求めてこの世界へ来た。
しかし、どうやらそれが裏目に出ているらしい。
理由は……分からない。
きっと、私はこのまま……。
私の中で渦巻く、そんな暗い感情に蓋をするかのように、目を強く閉じた。
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