6:名無しNIPPER[saga]
2017/04/13(木) 23:22:58.13 ID:PxCHan+00
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私の口から「どうして」の四文字が出るより先に、男は私の方向性についての話を始める。
「俺は君を、正統な路線で売ろうとは考えていないんだ」
「……つまり?」
「サイバー系、とでも言おうか。寡黙にしてミステリアス。そんな方向での展開を考えている」
「……色物は、いつか限界が来るわ」
そんな芸能人をこれまで、たくさん見て来た。
目新しさから、最初は手に取ってもらえるかもしれない。
でも、そんなものは一過性のブームだ。
「君の意見は、そうだね。その通りだ。でも、重要なのはまず目を惹くことだ」
「……次の一手も既に、ということ」
「ああ。まず君を世界に観測させる。君とは、高峯さんとはこういう人物である、という意識を徹底して刷り込むんだ」
「…………それで」
「うん。全部壊す」
こんなものはただの博打ではないか。
それで受け入れてもらえなかったら、どうする。
今度こそ終わりじゃあないか。
そんな迷いが頭を過ったが、このまま消え往くくらいならば、腹を括って一歩前へ。
「……いいわ。乗ってあげる。貴方の目にはどんなビジョンが映っているのか、私には分からない。だから、見極めさせて」
「ということは?」
「貴方の望むがままに、歌って、踊るわ。……私が出せる対価は、それだけ」
「契約成立だ。俺はそれに全霊を以て応えよう」
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