過去ログ - 魔王「ボクに魔王なんて出来るわけねぇ」
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309: ◆Ks1JsTemxeE/[saga]
2017/05/11(木) 02:03:13.01 ID:8XAxIGdJ0


戦闘訓練では命懸けでモンスターと戦わされる。
何年も地底に閉じ込められサバイバル生活をさせられたり、眠ることを許さずひたすら知識を頭に叩き込まれたり、ただただ苦痛を与えられたり。

物心ついたころ、すでに自由はなかった。
起床する時間、食事の時間、訓練の時間、勉強の時間、就寝の時間。すべて管理されていた。

魔界の根本理念「弱肉強食」「絶対的上下関係」
自分より強い教官の命令は絶対。

その生活は100年続いた。

我の代では30数名が訓練を受けていたが、その途中で半分はいなくなった。死亡した者、精神を壊した者、逃亡した者。



自分が側近候補者であり、他の一族とは違うと授業で習った。
訓練施設の外では冥都があり、魔王様がいて、魔王軍があって、民や兵士がいる。側近一族の自分とは根本的に生き方が違う。
その者達には自由があることを知った。

しかし、その時はそれを疑問に思わなかった。




側近候補者達の中に歳の近い女の子がいた。
なんでも自分の番<つがい>らしい。

我らには恋愛の自由もない。
決められた相手に子種を提供する。
ただそれだけの相手。

何人も番がいたが、彼女には目を奪われた。


美しい容姿に、底知れぬ魔力、ストイックで勤勉な彼女は候補者達の群を抜いていた。

会話は禁止されていたが、我々候補者達は互いを目を合わせるだけで声を出さずとも会話ができた。
訓練中、ふとした瞬間に彼女と目を合わせ、教官に気付かれないよう会話する。

互いに励まし合い訓練を乗り切った。

成績は

当然彼女がトップ。二番目だった我は、第二側近になった。




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