254: ◆mqlRkew9nI/5[saga]
2017/04/21(金) 20:19:35.14 ID:MxKyCuZT0
杏「何を言い出すのかと思えば、アイドル? そんなのやるわけないよ。働くのなんて、ありえないから」
奈緒「発想がニートすぎだろ……」
杏「ていうか、なんでアイドルやるかとか聞いてきたの?」
奈緒「実はあたし、アイドルやっててさ。……デビューはまだ先だけど」
杏「へー、アイドルやってるんだ」
奈緒「え、信じてくれるのか?」
杏「え、信じない方が良かったの?」
奈緒「そうじゃないけど、いきなり信じてもらえたの初めてだ。今まではそそくさとその場から離れようとされたり、鼻で笑われたりしてたからさ……」
脳裏に浮かぶのはツインテとちびっ子。
杏「ま、いきなりアイドルとか言われたら『何言ってんだこいつ』ってなるよね」
奈緒「だからあたしは今、猛烈に感動してる……信じてくれてありがとう!」
杏「ど、どういたしまして……?」
奈緒「それじゃあ、話の続きだけど……あたしの所属してる事務所、今アイドル募集してるんだ。で、良さそうな子見つけたらスカウトしろって社長に脅は――頼まれててさ。それで杏にアイドルやらないかって聞いたんだよ」
杏「ふーん……まあ、頑張ってね。残念だけど、杏はやる気ないから」
奈緒「駄目かー……さっきのあれ、アイドルに向いてると思ったんだけどなぁ」
杏「杏はそもそも、働くのが向いてないんだよ」
奈緒「駄目人間だ! 駄目人間がここにいる!」
奈緒(うーん……どうにかして興味持たせられないかなぁ。スカウトもそうだけど、こいつ、ほっといたらマジで駄目な大人になりそうだ。……既に大分手遅れ感はあるが)
奈緒「杏……働きたくないんだよな?」
杏「そう言ってるじゃん」
奈緒「でも、お金がなきゃ生きていけないよな?」
杏「まあ、それはそうだね」
奈緒「……印税って、知ってるか?」
杏「知ってるけど、それがどうし―――ま、まさか⁉」
奈緒「気付いたか。トップアイドルになれば、印税ががっぽがっぽ入る。印税だけで、一生暮らせるくらいに!」
杏「一生……!……い、いや、騙されないぞ! 印税なんて、数%しか入らなかったはず!」
奈緒(げっ、そうだったっけ⁉)
奈緒「た、確かにそうだけど、それでもかなりの額になるって。そ、それにアイドルは印税だけじゃないぞ。他にもえーっと……グッズとか、そういう収入源があるんだ」
杏「とかって何⁉ なんかふわっとしてない⁉」
奈緒(まずい……そういうのよく分からない! せっかくいけそうなのに……いや、こうなったらこのまま押し切る! そういう説明は後でプロデューサーにさせりゃいいんだ!)
奈緒「よ、よく考えてみろ、杏!」
奈緒「アイドルなんて、そんな何十年も続ける仕事じゃない! たかだか数年働くだけで、あとの人生遊んで暮らせるんだぞ!」
杏「な、なんだって―――――――――――――っ⁉」
奈緒「目指せ、不労所得!」
杏「ふろう……しょとく……!」
奈緒「どうだ、それでもアイドルやらないか?」
杏「アイドル……やろうじゃないか! 目指すは印税生活! 不労所得! だらだらし放題だー!」
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