36: ◆mqlRkew9nI/5[saga]
2017/04/14(金) 22:19:24.91 ID:gbQcrLF00
あたしはベンチから立ち上がり、加蓮を正面から見つめて、告げた。
奈緒「一緒にアイドルやろ!」
加蓮「なんでそうなるの⁉」
奈緒「アイドルやって、今の加蓮は全然元気だって、みんなに教えてやればいいじゃんか。 ステージの上で加蓮が歌って踊ってるの見たら、みんなの心配なんて吹き飛ぶって」
加蓮「え、えぇ……? そ、それはそうかもしれないけど……」
奈緒「アイドル、全然興味ない?」
加蓮「なくはその……ないけど」
奈緒「じゃあやろ! あたしはもう、加蓮をそんな目で見たりしない。っていうか加蓮、今日一日あちこちで一緒に遊んで、ずっと元気だったし」
加蓮「で、でもアイドルとかそんなの、アタシには無理だし」
奈緒「なんで? 自分で言ってたじゃんか。今はもう全然平気って」
加蓮「言ったは言ったけど……」
奈緒「……あ、なるほど。ビビってるんだな」
加蓮「……は?」
奈緒「だって、体は平気、アイドルに興味もある、なのにやらないってことは、そういうことだろ?」
加蓮「……」
なんか、加蓮の体がぷるぷると震えている。
奈緒「そうかぁ……ビビってるんじゃ、しょうがないよな。挑戦するの、怖いんだもんな……ぷふっ」
加蓮「(ぶちっ!)」
加蓮から何かがキレたような音が聞こえると、加蓮は勢いよくベンチから立ち上がった。
加蓮「やるよ! やればいいんでしょやれば! アイドルだろうとなんだろうと、そんなの余裕だからっ!」
奈緒「そっか! じゃあ一緒に頑張ろうな!」
加蓮「もち!……はっ⁉ あ、いや、今のな――」
奈緒「よろしく、加蓮!」
加蓮「な、奈〜緒〜〜〜っ!」
それからしばらく、あたしと加蓮は公園で追いかけっこを続けた。
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